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 ソ連軍施設への不法侵入によって拘留されたユウヤは、取り調べが始まるまでの独房で、自らの幼少時代の忌々しい記憶に思いを馳せる。父親不在の真相。母親との口論の日々。自分に流れる日本人の血の呪縛。そして、テストパイロットとして戦術機操縦技能を磨き続けた理由──。

 スパイ嫌疑をかけられてもおかしくない状況にも関わらず、ユウヤはさしたる咎めもなく釈放される。異例ともいえる措置に戸惑う彼を待っていたのは、不知火・弐型の機動試験であった。

 不知火・弐型。外見こそ壱型丙と同じだが、機体各部に新設計の米国製パーツを組み込んだ"新造試作機"である。吹雪以上に高度なレベルで操縦者に繊細さと大胆さを求める不知火・弐型の実機機動に再び翻弄され、日本製戦術機を制御しきれない自分に苛立つユウヤであったが、ヴィンセントに日本製戦術機の特性を示唆され、少しづつ不知火・弐型の挙動を理解し始める。

 そのときユーコン陸軍基地訓練区画内に無断侵入機が現れる。ユウヤたちの戦術機の前に着水した正体不明機。それは、複雑な三次曲線と鋭角的なパーツで構成された鮮やかな山吹色の戦術機──帝国斯衛軍00式戦術歩行戦闘機"武御雷"であった。

 唯依は『XFJ計画』のテストパイロットは帝国衛士であるべきと考え、ユウヤの適性に疑問を抱き続けていた。米国衛士の戦術機運用思想は、帝国のそれとは根底から異なるからだ。

 唯依の駆る武御雷の予想を遙かに上回るスピードに沈黙させられるタリサとヴァレリオのF-15・ACTV。ユウヤは不知火・弐型のスーパーカーボン製長刀を抜き、武御雷と剣を交わす。その刹那、ユウヤはかつて経験したことのない機体との一体感を覚える。

 
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